薔薇の名前 その3

『薔薇の名前』との関連でゴシックロリータについて述べるシリーズですが、今回が最後になります。前回までで、『薔薇の名前』の舞台設定をふまえゴシックロリータにつながる「聖なる闇」や「閉じる」というキーワードを出してみました。今回は薔薇をテーマにしたいと思います。

『薔薇の名前』の舞台は中世ですが、この時期に作られた写本等に頻繁に出てくる図案の一つに薔薇園と聖母マリアの組合せがあります(そういえば、薔薇も聖母マリアもゴシックロリータととっても相性がいいですよね!)。薔薇は、キリスト教のシンボリズムにおいて、「聖母マリアは純潔によって白く、慈悲によって紅い」として、聖母マリアの持ち物とされています。

ユングが『心理学と錬金術(1)』((2))で述べているように、薔薇園は俗世間から切り離された聖なる空間の象徴…つまり、薔薇園のイメージは「閉じる」というキーワードとぴったり重なるのです。

更に、薔薇の秘密めいたイメージをもう一つ。

こちらは古代ローマの風習ですが、秘密の会議を行う際には部屋の天井に薔薇を吊るしていたとか…これが元になって、sub rosa(薔薇の下に)という表現は、他言無用つまり秘密を表す言葉となりました(sub rosa自体はラテン語ですが、大き目の英和辞典にも載っている表現ですので見てみてくださいね!)。

ヨーロッパは、古代ローマ帝国期の後、中世になだれ込みますが、薔薇の持つ「秘密」のイメージはそのまま持ち込まれたようですね!

では、本題の『薔薇の名前』はというと、最後が

stat rosa pristina nomine, nomina nuda tenemus. (原初の薔薇は名にとどまり、われわれは裸の名を手に入れる)

というラテン語の詩で締めくくられています。『薔薇の名前』における薔薇は、主人公が生涯たった一人愛した女性を象徴すると共に、普段は自分でも意識できないような、自分の内奥の繊細ななにかを象徴しているようにも思えます。

このように見てきますと、『薔薇の名前』は、その舞台設定のみならず、テーマ自体がゴシックロリータの本質的な部分と重なるのかもしれません。

そういえば、『薔薇の名前』の作者ウンベルト・エーコは美学者でもあります。だとすると、美意識を重んじるゴシックロリータと『薔薇の名前』の波長が合うのは自然なことといえなくもありませんね!

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薔薇の名前 その2

前回は、『薔薇の名前』をもとに、ゴシックロリータにおける闇についてのお話をさせていただきました。

中世を舞台にした『薔薇の名前』。作品における闇は、聖なる闇というよりも、権力欲の絡んだいわば人間臭いどろどろした闇なのですが、─該博なるウンベルト・エーコの力量によるのでしょう─私たちはたっぷりと中世自体の雰囲気に浸ることが出来ます。

中世の修道院という閉じられた社会の描写には、ゴシックロリータの世界に通ずる何かを感じざるを得ません。

ゴシックロリータ自体は、ある意味一種の流行ともいえます。ただし、自らをゴシックロリータ世界の住人として認めている人たちとお話してみると、みなそれぞれ独自の精神論を持っていて驚かされます。各自、美意識をキーワードに、ある種のこだわりを披露。それも、そのこだわりにはそれぞれ理由がある…

恐らく人間というものは、周囲の状況に動かされているだけでは、機械と変わらない存在となってしまうのかもしれません。そして、自ら動くためには、自らの確固とした精神論が必要になってくるのではないでしょうか。それは、自らのものであるため、時折(あるいは、しばしば)世間の常識と衝突します。

そして、自らの精神に忠実であろうとするならば、世間の常識に対して取れるのは、二つの選択肢しかないのではないでしょうか。一つは戦うこと、もう一つは閉じること…

私見ですが、ゴシックロリータの精神は、世間の常識と衝突した際には戦うよりもむしろ閉じる方向に向かうように感じられます。というのも(あくまでも私の経験の範囲でなのですが)、ゴシックロリータを好むタイプの人は、ゴシックロリータに無関心な人を無理に自らの世界に誘うようなことはあまりしませんが、ゴシックロリータに理解を示せない人たちになんと言われようと構わず自らのスタイルを貫き通していることが多いように感じられるからです。

以上は、外界に対して戦うのではなくして、外界に対して閉じる戦略なのではないでしょうか。この「閉じる」というキーワードの持つイメージが、ゴシックロリータと中世とを結びつける一つの鍵のような気がするのです。

そしてこの「閉じる」というキーワードは薔薇ともつながりを持っているようなのですが、それについてはまた後ほどお話したいと思います。

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薔薇の名前 その1

ゴスロリアイテムで、無くてはならないものの一つに薔薇がありますよね!でも、薔薇といってもゴシックの薔薇とロリータの薔薇とでは雰囲気が違うと思うんです。

今回は、ゴスロリ全体というよりも、どちらかというとゴシックよりの薔薇のお話になってしまうかもしれません。

『薔薇の名前』はご存知でしょうか?ウンベルト・エーコという世界的な学者(哲学・美学専門)が書いた小説です(ショーン・コネリー主演で映画化もされています)。 『薔薇の名前』の時代設定は1327年ということで、ヨーロッパ中世後期が舞台ですね!話の筋は修道院における殺人事件の謎解き。ただし、そこでは異端審問や教皇権と皇帝権との対立等の中世おなじみのテーマが作者の該博さをもって描かれています。

ヨーロッパ中世という時代設定はともかくとして、内容自体は決してゴスロリ風小説とはいえない小説です。にも拘らず『薔薇の名前』を採り上げたのは、「中世」と「薔薇」との組合せが、とてつもなくゴスロリのイメージと重なるからです。

ゴシックロリータにおけるゴシックという言葉も含め、私たちがゴシックという言葉から連想するのは「闇」なのではないでしょうか。

ただしそれはどんな闇なのでしょう?

ゴシックというと、ゴスロリ以前にゴシック様式の大聖堂などを思い浮かべる方が一般的でしょう。ゴシック様式は中世に流行った建築様式で、鬱蒼とした森をイメージしたものといわれています。

だとすると、「ゴシック=闇」はあながち的外れではありません。そして、大聖堂とはキリスト教徒が会して、神に祈りを捧げる場…

どうやら、ここら辺りが、ゴスロリにおける闇のイメージに大きく関わってくると思うのです。

闇に神聖さがないと、きっとゴスロリ風にはならないはず…。そして、ゴスロリに神聖さをもたらすフレーバーがキリスト教だとすると、ゴスロリのイメージに十字架や天使がマッチするのもうなずけます。

闇は闇でも「聖なる闇」こそが、ゴスロリにはふさわしいみたいですね!

薔薇についてはまた後ほど…


薔薇の名前〈上〉
薔薇の名前〈下〉
薔薇の名前 特別版

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ゴシックロリータ?

ゴシックロリータについては随分前から興味を持っていて、間違いなくゴシックロリータが好きといえる自分がいます。

でも、いざゴシックロリータのどこがいいんだろうと考えると、やっぱりそれが持つ雰囲気としかいいようがありません。

そこで、ゴシックロリータについてちょっと考えたいなと思いブログを開設してみました!

ゴシックロリータという言葉は通称ゴスロリですね。一般的にゴスロリという言葉はよく聞きますが、自分の中では、ゴシックとロリータが二つ合わさっているのが、とっても不思議なんです。

単純にゴシックというと、ヨーロッパ中世の雰囲気、もしくはゴシックホラーに代表されるような恐怖を煽る印象。ところが、ロリータは、一見闇とは正反対の少女性。

この二つが合わさっているのですから、なんとも不可思議です。

それでも、確かにゴスロリが表現しているであろう世界観は、単なるゴシック+ロリータというわけでもありませんよね。なにか、ブレンドするにも絶妙なバランスが隠されているような気がします。

この秘密に、これから少しでも迫れたらなと思ってます!

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